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まだ読み途中だが
コレが
何で絶版になってるのか理解に苦しむくらいオモシロイ
絶版だしちょっとあらすじでも書くか
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主人公(安部公房)が放送局の依頼で北海道を旅行したときに
釧路から汽車で2時間ばかりの厚岸という漁村で旅館の館長に地元に伝わる伝説を聞く
伝説の内容は明治2〜3年のときに船で護送中だった囚人達300人が蜂起して船を乗っ取り
大砲を船から外して厚岸湾から船の乗員のフリをして一旦上陸した後で
村民を監禁して現金で必要なものを購入し北方の原野に向けて旅立ち共和国を設立したとのこと
噂はいつしか消えてしまいその共和国がどこにあったのかは今では分からない
脱走者には男しか居なかったため子供が作れず滅びたとも
子孫に口外せず秘密を守ったまま存続しているとも言われている
明治政府として恥ずべき事件であり報道はなされなかったのではとか
旅館の館長は大砲が見つかっていないことなどを理由に存続しているはずだと粘着的に主張する
そのうち本当は厚岸の町に定着して住民となってしまったのかもなんて言い出したり
主人公は館長のしつこい話ブリに食傷して伝説の矛盾点を指摘したりする
そうして館長が伝説の証拠として明治5年に開拓使だった榎本武揚が旅館に立ち寄った際に書いたとする家宝の色紙を見せたことには
自分の祖母がこの色紙を貰ったときに榎本武揚が「この村に300人の脱走者が立ち寄ったらしいが…」といったようなことを耳打ちしたと
榎本武揚は函館戦争後明治政府に捕らえられ獄中に居て囚人達に色々な学問や思想を説いたとされているのでひょっとしたら脱走した300人が榎本武揚と関係があったのかもなんてことまで発想が及ぶ
榎本武揚は函館戦争時では幕府側の人間で一旦投獄されるものの明治政府でもその能力を買われ取り立てられ異例の出世を果たしたため裏切り者との評価が世間ではなされてたりする
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その後2〜3年経ち主人公は館長から8枚の手紙と束になった原稿用紙を館長から郵送される
手紙には榎本武揚と囚人の関係を示す新資料が見つかったとそして「五人組結成の顛末」と題された原稿用紙がその資料だと
続けて館長の隠していた過去が明かされる
館長は戦時憲兵をしていて義理の弟を危険思想の持ち主として逮捕していた
義理の弟は逮捕後獄中死している
戦時に上への忠誠心があったものが戦後裏切り者として扱われることへの疑問や人情としての苦悩が榎本武揚の評価と重ね合わせて綴ってあったりもする
手紙を受け取った主人公は館長に手紙を返すも戻って来たのは家族からの失踪したとの返事
そしてこれから原稿用紙の内容に移るってとこまで読んでる
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上記相当はしょってるアンド間違ってたらスマン
読み途中なのでコレがフィクションなのかノンフィクションなのかも分からない
絶版本なのに今日米と筋子喰いながら読もうと手で強く押して
パックリ割ってしまった